Google広告
2021.03.04
Google広告のカスタマーマッチとは、自社が保有する顧客データをもとにターゲティングを行う広告配信の手法です。
自社の顧客データを活用して、ユーザーにアプローチを行うことで、Google広告の費用対効果を高めることができます。
顧客リスト(E-mailや電話番号)が潤沢にあるのであれば、カスタマーマッチは絶対に実施したほうがいい機能です。
なぜなら、自社の顧客を正確にターゲティングできるため、類似ユーザーの質も必然的にあがるからです。
本記事では、カスタマーマッチの具体的な設定方法についてご紹介します。
Googleカスタマーマッチとは自社の顧客データ(メールアドレス・電話番号)を活用して、既存顧客や自社の顧客の類似ユーザーに対してアプローチを行うことでGoogle広告の効果を向上させることが可能なメニューです。
広告の配信先は、以下の5つです。
カスタマーマッチをオーディエンスデータで利用することで、Google広告のさまざまな配信面で費用対効果を高めることができます。
マッチングの仕組み
カスタマーマッチにおけるマッチングは、メールアドレスや電話番号、住所などの顧客データと企業が所有する情報を照合して、マッチしたリストを配信対象にできる仕組みとなっています。
マッチ率は平均して20~30%程度となっていますが、マッチングには最低1,000件以上のデータが必要なので注意が必要です。
カスタマーマッチはどのGoogleアカウントでも利用できる訳ではありません。
利用するには、アカウントが以下の基準を満たしている必要があります。
利用条件を満たしている必要がある
これらの要件を満たした上で、Google側にホワイトリスト申請を行うと利用ができるようになります。
詳しくは以下をご参照ください。
https://support.google.com/adspolicy/answer/6299717?hl=ja
最低1,000件以上のデータが必要
カスタマーマッチはメールアドレスと電話番号でマッチングを行うことが可能ですが、マッチングをするには最低でも1,000件以上のデータが必要になります。
また、1,000人分のリストを所有していたとしても、1,000人のGoogleアカウントとマッチするとは限らないので、その点には注意が必要です。
個人情報の取り扱いに注意する
自社が所有する顧客の情報を使用するため、個人情報の扱いを慎重に行う必要があります。顧客情報は暗号化せずにそのままアップロードすることも可能ですが、安全を考慮するとハッシュ化(暗号化)しておくことが望ましいと言えます。入稿を外部の広告代理店などに委託している場合も、必ずハッシュ化するようにしましょう。
カスタマーマッチの設定方法は以下手順で行うことができます。
キャンペーンの作成は通常の作成方法と変わりませんのでここでは割愛し、
「顧客リストの用意」「オーディエンスリストの作成」の手順をご紹介します。
顧客リストの用意
顧客リストのテンプレートは以下です。
https://www.gstatic.com/adwords/customermatch/Customer_Match_Upload_Template_-_Contact_Information.csv
<顧客リストテンプレート>
テンプレートをみると、少しややこしそうですが、実は必須項目はシンプルで、メールアドレスか電話番号のどちらかがあればアップロード可能です。
尚、必須項目の組み合わせは以下の4通りあります。
1)メールアドレスのみ
2)電話番号のみ
3)氏名(名/姓)・国・郵便番号
・氏名は、FirstNameとLastNameに分けます。
・郵便番号の項目名はZip
・国名は、ISO 国コードが使用できます。日本は「jpn」
4)電話番号・メールアドレス・氏名(名/姓)・国・郵便番号
上記1)~3)の全て
ハッシュ化について
メールアドレスなどの個人情報ですが、実はハッシュ化をせず、そのままアップロードしても入稿をすることは可能です。
カスタマーマッチは、電話番号やメールアドレスはハッシュ化されてGoogleのサーバーに送信されますので、プライバシーの配慮としてはしっかりとできています。
しかし、こちらはかなりリスクがあるのでおすすめしません。
Web検索で「ハッシュ化ツール」というキーワードで検索すると、ツールがでてきますので、そこで変換することをおすすめします。
例)ハッシュ化ツール
※ 尚、ハッシュ化は不可逆変換しているため、一度ハッシュ化すると基本は元に戻すことはできません。
このように、ハッシュ化が済んだ文字列であれば、社外の運用者、Googleに託しても個人情報(メールアドレスなど)が秘匿されますので安心です。
□ハッシュ化の推奨データ
・メールアドレス、電話番号、名、姓
⇒国と郵便コードのデータはハッシュ化しないでください。
ハッシュ化を終えたデータは以下形式でアップロードできます。
文字コード;UTF-8
暗号化方式;SHA256
ファイル形式:UTF-8でエンコードされた CSV 形式
参考;
https://support.google.com/displayvideo/answer/7370835?hl=ja
オーディエンスリストの作成手順
続いてハッシュ化した顧客データをオーディエンスリストに登録します。
(1)管理画面右上の「ツールと設定」→「オーディエンスマネージャー」をクリック
(2)オーディエンスの「+ボタン」(新規作成)→「顧客リスト」をクリック
(3)任意のオーディエンス名を入力 → データの種類を選択 → リストをアップロードして作成
こちらでオーディエンスリストの設定は完了です。
リストをキャンペーンと関連付けるのは、通常のリマーケティングやカスタムオーディエンスを紐付ける設定と同様です。
いかがでしたでしょうか?
カスタマーマッチは配信をするためには複数の要件があり、一定数のリスト数も必要なので、他の広告メニューと比較するとハードルが高い広告手法になります。
また、個人情報を取り扱うため、情報の管理には重々注意する必要はありますが、既存顧客に類似しているユーザーにも広告を配信することができるため、上手く活用すれば強力な配信方法になります。
導入障壁は高いかもしれませんが、使いこなすことができれば強力な機能なので、使えるアカウントは是非、積極的に導入してみてください。