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【Google広告】季節性の調整の使い方を解説

2023.09.29

Google広告の機能のひとつに「季節性の調整」という機能があります。これは今後予定されているセールやキャンペーンなどによってコンバージョン率※ の変化が見込まれる場合に、あらかじめその変化を事前に登録しておくことのできる機能となっています。
※以下CVR

事前に登録しておくことで、登録期間中に急激にCVRが上がったり下がったりする場合に、自動入札の学習にイレギュラーな情報を与えずに済むことができます。

例えば、リスティング広告の運用の中で、1度でも以下のような経験をしたことある方は多いのではないでしょうか。

  • ・セール期間中にCVRが上昇して獲得が好調と学習されてしまい、その後の通常販売期間でCPAが悪化してしまった。
  • ・年末年始などCVRが下がるタイミングで通常通り配信していたことで獲得が不調と学習されてしまい、配信が減少してCPAが悪化してしまった。

そこで本記事では季節性の調整の特徴と実際の設定方法について解説していきます。

1.「季節性の調整」とは

冒頭でも説明の通り、季節性の調整とはCVRの変化が予測される場合にあらかじめ登録しておくことで、スマート自動入札機能の動作を調整することが可能な機能となっています。

具体的には、週末の2日間に大きなセールを控えており、この期間中はCVRが約30%向上すると見込んでいる場合、その2日間はCVRが最大30%増加されるように事前に調整します。

スマート自動入札は多様なシグナルをもとにしてに入札価格設定を自動で行う機能ですが、大幅な数値の変化が発生すると再度学習期間に入ってしまうため、一時的にパフォーマンスが低下することがありますが、このようなケースを回避するために「季節性の調整」機能を活用します。

季節性の調整の設定期間が終了すると、自動的に入札機能は元の設定に戻ります。

また、季節性の調整は1日~7日間の短いイベント期間による変化での利用が推奨されています。長期間のゆるやかな変化であれば、スマート自動入札の機械学習で対応が可能であり、14日間を超えるような場合は使用は控えることが推奨されています。

Google広告ヘルプ:スマート自動入札の季節調整を導入
https://support.google.com/google-ads/answer/9461281

2.メリット・デメリット

上記で季節性の調整の機能について触れましたが、具体的にどんなメリット・デメリットががあるのでしょうか。

メリット
1.急激な需要の変化に対応することが可能
挙動が変化した際、波が去った後の調整に悩まされますが、この機能を使用することで機械学習の崩れを未然に防ぐことができるので、需要の変化が見込まれる場合には設定した方が良いでしょう。

2.簡易に設定ができる
設定するには調整タイプ・対象キャンペーン・期間の大きく分けて3つの項目のみなので、簡易に設定することが可能です。

3.すべてのキャンペーンタイプで設定可能
設定は検索、ディスプレイはもちろん、ショッピングやP-MAXキャンペーンまですべてのキャンペーンに設定することが可能です。

デメリット
1.調整は予算かCVR(コンバージョン率)のみ
急激な需要の変化に対して、事前に準備することはできますが、調整は予算かCVRのみとなります。入札戦略や詳細な項目は設定することができません。

2.1日~7日の短い期間でのみ設定が推奨
前述の通り、季節性の調整は1日~7日間の短いイベントでの設定が推奨されています。設定自体は可能ですが、中長期な変化であればスマート自動入札で対応が可能なため、一度に14日を超えるような期間で使用すると思うような成果が得られない場合があります。

Google広告ヘルプ:季節性の調整について
https://support.google.com/google-ads/answer/10369906?hl=ja

3.設定方法

それでは実際に設定手順を解説してきます。

1.まず管理画面右上の「ツールと設定」から「共有ライブラリ」→「入札戦略」を選択

2.画面左「詳細設定」を選択すると季節性の調整の設定画面が出てくるので、ここで+ボタンを押して作成

3.全部で3つのブロックに分かれており、まずは「Settings」で調整タイプ・名前・期間を選択。今回はコンバージョン率(CVR)を選択

4.続いて「範囲」にて対象にするキャンペーンタイプまたは特定のキャンペーンを選択。またその際デバイスも選択可能

5.今回はCVRの調整なので、調整率を入れて設定完了ちなみに、調整タイプを「予算」にした場合は以下のように予算調整の項目になります。


こちらで設定は以上になります。

Google広告ヘルプ:季節性の調整を作成する
https://support.google.com/google-ads/answer/9352512?hl=ja

4.最後に

様々なアカウントを運用していても、自動入札に用いられている機械学習は、データから得られる特定のパターンや特徴による予測は得意ですが、予期せぬ突発的な変化にまでは完全には対応しきれていないように見受けられます。

自動入札は現在は一般的な運用になっていますが、変化を事前に管理画面にインプットしておくことで配信の乱れを防ぐことができます。機械学習ではカバーしきれない部分に人の手を加えることによって、効果的な運用も可能になるため、是非活用してみてはいかがでしょうか。