Webマーケティング全般
2023.06.23
アトリビューションモデルとは、マーケティング活動においてどのチャネルが売上やコンバージョンにどれだけ寄与したかを評価する手法です。
Googleにおいても6つのアトリビューションモデルが提供されていましたが、これらのうち4種類を廃止し「データドリブン」「ラストクリック」の2つのみの提供となることが発表されました。
参考:Google広告ヘルプ
「アトリビューション モデル「ファースト クリック」、「線形」、「減衰」、「接点ベース」のサポートは終了します」
今回の経緯や、廃止されるアトリビューションモデル、そして変更までのスケジュールについて解説します。
今回サポート終了となるのは以下の4種類のアトリビューションモデルです。
・ ファースト クリック
・ 線形
・ 減衰
・ 接点ベース
1.ファーストクリックモデル
コンバージョン経路で最初にクリックされた広告とそれに対応するキーワードだけに貢献度を割り当てるモデルです。
コンバージョンに結びついたユーザーが最初に接点をもった広告に100%の貢献度を割り振る形です。
2.線形モデル
コンバージョン経路で発生したすべての広告インタラクションに貢献度を均等に割り当てるモデルです。
3.減衰モデル
減衰モデルは、コンバージョンまでの時間が短いクリックに、より多くの貢献度を割り当てるモデルです。
4.接点ベースモデル
接点ベースモデルは、ラストクリックとファーストクリックにそれぞれ40%ずつの評価が割り振られ、残りの20%を中間クリックに均等に割り振るモデルです。
各アトリビューションの詳細については、詳しくは、以下記事をご参照ください。
参考:Google広告コンバージョン設定のアトリビューションモデルについて
多様なアトリビューションモデルにより、以前に比べて広告の貢献度を異なった視点から評価できるようになりましたが、これには問題もいくつかありました。
1.アトリビューションモデルは複雑であるという点
多くのチャネルやタッチポイントが絡み合い、それぞれの貢献度を正確に評価することは難しいとされています。また、ユーザーの行動パターンが多様化し、複数のデバイスやプラットフォームを使用するため、単一のアトリビューションモデルでは現実的な評価ができなくなってきています。
2.アトリビューションモデルは他のチャネルの効果を過小評価する傾向がある
例えば、ファーストクリックモデルでは、最初に接触したチャネルに全ての功績を帰属させるため、他のチャネルの貢献度が見落とされる可能性があります。
逆に、ラストクリックモデルでは、最後に接触したチャネルに全ての価値を与えるため、他のチャネルの影響が軽視されてしまいます。
このような背景から、これらのモデルでは多様化するユーザーの行動パターンに柔軟に評価することが難しくなっていました。
そこで登場したのが「データドリブンアトリビューション(以下、DDA)」というモデルです。
「データドリブン」(DDA)モデルでは、あらかじめ決められた割合で成果を割り振るのではなく、過去のコンバージョンデータに基づいて、機械学習を利用した動的なアルゴリズムで割り当てます。
そのため、アカウント単位で固有のモデルとなります。
参考:Google広告ヘルプ データドリブン アトリビューションについて
3.廃止するアトリビューションモデルを使用しているCVの割合は3%以下
2021年10月からは、Google広告のアトリビューションモデルのデフォルトが「データドリブン」(DDA)モデルになっています。
今回のGoogleからのリリースでも、最も利用されているのがデフォルト化された「データドリブン」(DDA)モデルで、今回廃止されるモデルを利用しているウェブコンバージョンの割合は3%を下回っているようです。
こうした背景もあり、廃止の方向になったようです。
上記背景から、変更までの猶予期間は長くありません。
今回廃止予定のアトリビューションモデルをご利用の場合は、早めに変更対応を行うのがよさそうです。
変更までのスケジュールは以下の通りです。
2023年6月;
Google広告で廃止予定の4種類のアトリビューションモデルを、新規コンバージョンアクション作成時には、選択不可になります。
既に設定している既存コンバージョンアクションでは、変更が不可になります。
2023年9月;
Google広告において、今回廃止予定の4種類のアトリビューションを使用しているコンバージョンアクションはデータドリブン(DDA)に切り替わります。
広告管理画面内の概要ページやアトリビューションタブ内のモデル比較レポートなどからも廃止予定のアトリビューションは削除されます。
改めて今運用しているアカウントを確認して、
・活用している場合は、「データドリブン」もしくは「ラストクリック」のどちらを活用するか?
こちらをチェックする必要がありますね。
今回は、アトリビューションモデルについて新たな変更点についてお話ししました。
廃止される4種類のアトリビューションを活用していないか、改めてアカウントをチェックして、早期に対応する必要がありますね。
マーケティング分野は常に進化し続けており、アトリビューションモデルもその一環です。
これからも新たな手法や技術の発展に注目し、最適なマーケティング戦略を構築できるよう最新情報をキャッチしていきましょう。