その他

Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?特徴や仕様、出稿メリットなど基本をご紹介

2023.04.28

2022年5月以降、日本でもMicrosoft広告(Microsoft Advertising)が利用可能になりました。
Microsoftの提供するサービスに広告を出稿できるため、Bingの検索広告枠や、Microsoft Edgeのディスプレイ広告枠などに広告配信をすることができます。

直近、非常に注目を集めている広告媒体ですので、今回はMicrosoft広告の特徴や仕様、出稿メリットなど基本的な概要をご紹介いたします。

1.Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?

参照:Microsoft Advertising TOP画面

Microsoft広告(正式名称:Microsoft Advertising)とは、Microsoft社の提供するサービスに広告を出稿できる媒体です。

主な配信面としては「Bingの検索結果」や「Microsoft Edgeのスタートページ」があげられます。
Bing内でのリスティング広告はもちろん、ディスプレイ広告やショッピング広告など、さまざまなタイプの広告を配信できます。
参考:Microsoft Advertising 日本での展開について

Microsoft広告は、すでに欧米圏を中心にサービスを提供しており、2021年度の広告収入は100億ドル、日本円で1.26兆円の規模に成長しています。

そのため、今後日本でも更に成長していくことが予想されます。

参考:MakeZine広告主に新たな選択肢の提供を──Microsoft広告の日本立ち上げを担うマネージャーに迫る

2.Microsoft広告の特徴やメリット

Microsoft広告の特徴やメリットについてご紹介します。

検索エンジン「Bing」に広告配信が可能

Microsoft広告は、Microsoft Edgeというブラウザのデフォルトの検索エンジンである「Bing」と連携しています。
そのためWindowsがインストールされているパソコンを購入した場合、他のブラウザをインストールしたりデフォルトの検索エンジンをGoogleやYahoo!などへ変更しない限りは、利用する検索エンジンは「Bing」となります。
検索エンジンの市場はGoogleが大きなシェアを占めていますが、近年Bingも徐々にシェアを伸ばしている状況ではあります。

デフォルトのMicrosof Edgeブラウザを活用しているのは、年齢層が高いと想定されてしまいがちですが、実は近年若年層のパソコン離れで、スマホは活用しているが、パソコンは社会人になってはじめて利用するという方も増えています。
そのような方は、パソコンで検索するときも、デフォルトのMicrosof Edgeブラウザを活用してBingの検索エンジンで検索するという方も増えているようです。

以下、デスクトップの検索エンジンシェアの調査データでは、Bingのシェアは既にYahoo!を上回っております。
※2023年3月時点

参考;stat counter Desktop Search Engine Market Share Japan

また、総務省のデータでも、Bingのシェアは伸びていると報告されています。
参考;総務省 令和4年度版 第6節 国内外におけるサービス・アプリケーションの動向

BtoBにアプローチしやすい

Microsoft広告は、ビジネスパーソンにアプローチしやすいメリットもあります。

日本の企業では、WindowsOSが多く利用されています。Windowsの推奨ブラウザ「Microsof Edge」やメールソフト「Outlook」をそのまま利用するケースが多いです。

また、企業・業種・業界でターゲティングできるのも強みです。特定の業界に特化した商材でも、ピンポイントに広告を配信できます。
しかし、こちら2023年4月時点では、キャンペーン設定でのヘルプをみても、以下のように日本のみの場合はまだ対象外のようです。

「LinkedIn プロファイルのターゲット設定は、米国、CA、英国、AU、FR、DE の各市場を対象とするキャンペーンでのみ使用できます。」
参考;LinkedIn プロファイル ターゲティング

こちらは今後のアップデートに期待ですね!

Google広告・Facebook広告の設定をインポートできる

Microsoft広告では、Google広告・Facebook広告の設定をインポートできます。ゼロから設定・入稿しなくても配信準備ができます。

こちらの機能が運用者からすると非常に便利な機能です。
※一部インポートできない部分もあります。

参考画像:Microsoft Advertising公式

管理画面はGoogle広告に非常によく似ているため、Google広告を利用している運用者なら迷うことなく利用できると思います。

また、タグに関してもGoogleタグマネージャー(GTM)がテンプレートでMicrosoft広告に対応しており、計測タグの設定も非常に容易です。

さまざまな配信フォーマットに対応

Microsoft広告は、リスティング広告はもちろん、ショッピング広告や画像とテキストを組み合わせたディスプレイ広告(Microsoft広告では「オーディエンス広告」と呼ぶ)など、さまざまなフォーマットのクリエイティブを配信できます。

また、認知拡大から比較検討、コンバージョンまで様々な目的にも対応。商材やターゲットに合わせて、最適な戦略のもと魅力的なクリエイティブを配信することでより成果を高めることができます。

3.Microsoft広告の広告フォーマット

Microsoft広告のフォーマットは多岐にわたります。ここでは2023年4月現在、日本で利用可能な主要な広告フォーマットをご紹介します。

※広告フォーマットについて最新情報は、公式ヘルプをご確認ください。
参考:Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ

1.検索連動型広告
Bingをはじめとした検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト広告。
テキスト広告枠とショッピング広告枠の2種類があります。

テキスト広告枠は、Google検索広告やYahoo!検索広告と同様、見出し・説明文・パス・広告表示オプションが表示されます。また、Google検索やYahoo!検索と比べて広告の画面占有率が高く、広告枠が4枠以上表示されたり、サイトリンクが6つ以上表示される場合もあります。

ショッピング広告枠は、Googleショッピング広告と同様に、商品名・価格・広告主名・送料のオプションが表示されます。また、Googleショッピング広告と同じく、無料のショッピング広告枠もあります。

参考:Bing検索結果

広告タイプ
検索連動型広告では、レスポンシブ検索広告、動的検索広告、ショッピング広告、マルチメディア広告の広告タイプから選んで配信できます。

 レスポンシブ検索広告
 動的検索広告
 ショッピング広告
 マルチメディア広告
※拡張テキスト広告は2023年2月1日にサポート終了

参考:Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ

2.オーディエンス広告(ディスプレイ広告)
Microsoft Edge、Outlook、MSNなどのディスプレイ広告枠に広告を配信でき、Microsoft EdgeやMSN のトップページ、Outlookのメール受信ボックスの上部などに広告が表示されます。

ディスプレイ広告で配信できる広告はMicrosoftオーディエンス広告のみです。
Google広告、Yahoo!広告のレスポンシブディスプレイ広告より設定できる見出しや説明文が多いですが、基本的な機能は同じです。

参考:Microsoft オーディエンス広告について

参考:Microsoft Edgeブラウザ

参考:msnトップページ

参考:outlook.com(メールサービス)

画像の入稿規定
ディスプレイ広告の画像の縦横比と最小サイズと推奨サイズを以下の表にまとめました。
尚、設定する画像は Microsoft Advertisingポリシーに準拠している必要があります。
参考:Microsoft Advertising ポリシー

縦横比 必須または任意 推奨ディメンション (ピクセル) 最小ディメンション (ピクセル)
1.91 : 1 必須 1,200 x 628 以上 703 x 368
1.78 : 1 省略可能 1,200 x 674 以上 624 x 350
1.5 : 1 省略可能 1,200 x 800 以上 300 x 200
1.33 : 1 省略可能 1,200 x 902 以上 100 x 75

参考:オーディエンス広告画像のベスト プラクティス

ターゲティング

オーディエンスタイプ 内容
カスタム オーディエンス 自社の顧客データを使って生成する顧客のリストです。
組み合わせリスト 複数のオーディエンス リストを「AND」「OR」「NOT」条件を使用して組み合わせます。
カスタマー マッチ リスト 自社の顧客が再度アプローチできるよう提供したメール アドレスのリストです。
動的リマーケティング リスト 自社のMicrosoft マーチャント センター カタログ フィードで特定の製品 ID に接触した顧客のリストです。
購買意向の強いユーザー 特定のカテゴリ内で購入意図を示している顧客をまとめたリストです。
LinkedIn プロフィール ターゲティング LinkedIn のプロフィールに記載された会社名、業界または業種別で分類された潜在顧客のリストです。
リマーケティング リスト 以前に自社の Web サイトを訪問または利用したことがあるユーザーのリストです。
類似オーディエンス Microsoft Advertisingがお客様の既存のリマーケティング リストに掲載されたユーザーと類似の属性を示していると判断した顧客のリストです。

また、デモグラについても以下が活用できます。

● 年齢
● 性別
● 地域
● 業界
● 職種
● 会社名
業界、職種、会社名のLinkedInターゲティングは現状日本未対応※

3.アプリインストール広告
アプリインストール広告には、ディスプレイ広告枠やアプリストアの広告枠はなく、Bingの検索結果画面のみに配信されます。そのため、検索連動型広告と同じく、指定したキーワードで検索された際に広告が表示されます。

アプリインストール広告に広告タイプはなく、アプリインストール広告のみ配信可能です。広告作成時には、モバイルオペレーティングシステム、アプリ ID/パッケージ名、リンクテキスト、リンク URL などの情報が必要です。

参考:アプリのインストール広告: アプリのダウンロードを促進する

4.Bing面において、Yahoo!広告との関係や出稿の違い

2023年4月現在、Bingの検索結果面にはMicrosoft広告経由とYahoo!広告経由のどちらも表示されます。
ここだけ聞くと、Yahoo!広告を出稿していればいいのでは?と疑問がでてきますが、
今後少しずつMicrosoft広告経由の比重が増え、将来的にはMicrosoft広告経由の広告のみになると発表されています。

参考:Microsoft広告公式資料より、書き起こして引用

Yahoo!広告経由の広告の配信量は徐々に減っていくと予測されるので、その前にMicrosoft広告を始めることをおすすめします。

Bingの検索結果ではYahoo!検索広告と競合してCPCが引き上がるのでは?

Microsoft広告とYahoo!広告は全く別の広告配信のネットワークです。
そのため、両方を実施していたとしても、オークションが競合しあいクリック単価(CPC)が上がってしまうという懸念はありません。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。
先日もBingに対して、ChatGPTが組み込まれた「Bing AI Chat」が搭載され、一層注目が集まりBingの利用率が増えている状況です。
まだGoogleに比べれば利用率も低いため、実際にMicrosoft広告を出稿しても、そこまで多く配信が増えることはない可能性もありますが、検索連動型広告や、ディスプレイ広告などGoogle、Yahoo!で実施しているのであれば、同じようにMicrosoft広告も大きな違いはないため実施しない手はないと思います。

管理画面もGoogle広告のインターフェイスと非常によく似ており、普段からGoogle広告を活用している運用者であれば違和感なく作業できるかと思います。

ChatGPT連携による動向に注目が集まる中、今後の伸びしろも期待できる広告なので、是非この機会にMicrosoft広告の実施をおすすめします。