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最適化されたターゲティングとは?ターゲットの拡張との違いについても解説

2022.04.20

2021年10月19日、Googleよりディスプレイキャンペーンで提供されていた「ターゲットの拡張」(オーディエンスの拡張)機能が「最適化されたターゲティング機能」に移行することが発表されました。
最適化されたターゲティングは順次提供が開始され、2022年1月に完全移行をしております。
今回は「最適化されたターゲティング」と「ターゲットの拡張」との違いや、設定方法、さらには注意点についてもご紹介します。

1.最適化されたターゲティングとは?

最適化されたターゲティングは、ランディングページやクリエイティブアセットのキーワードなどの情報を基に、キャンペーンの目標を達成する可能性の高い新規のユーザーを自動的にターゲティングできる機能です。

<最適化されたターゲティング 設定画面>

この機能は以下のような場合に活用できます。

・入札単価や顧客獲得単価を引き上げずにコンバージョンを増やしたい場合
・コンバージョンに最も近いと考えられるオーディエンスに向けて広告を配信したい場合
・既に広告を配信しているオーディエンスに加えて、まだ見つかっていない新規顧客を見つけたい場合

参考:最適化されたターゲティングについて Google広告ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/10537509?hl=ja

現時点では以下のキャンペーンで利用できます。

・ディスプレイキャンペーン
・ファインドキャンペーン
・動画キャンペーン

※動画キャンペーンでは 「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」の目標を使用している場合に限ります。

2.「ターゲットの拡張」との違い

ターゲティングを自動化する機能は「ターゲットの拡張」という名称で以前から提供されていました。
この機能は下記図のように、Google広告管理画面内のディスプレイキャンペーン「広告グループ」の「設定」内で確認することができました。

<ターゲットの拡張 設定画面>

「最適化されたターゲティング」と「ターゲットの拡張」の機能ですが、主にターゲティングに使用するデータが違います。

ターゲットの拡張の場合
手動で選択したオーディエンスセグメントのさらに類似したオーディエンスにリーチ(配信)を拡張する機能です。

例えば、キーワードに基づくカスタムオーディエンスを設定していた場合、設定したカスタムオーディエンスの類似するユーザーに対しても広告が配信されます。

最適化されたターゲティングの場合
コンバージョンに至ったユーザーが最近検索した語句など、キャンペーンのリアルタイムのコンバージョン データを使用して、コンバージョンに至る可能性の高いオーディエンスを見つけだします。

また、最適化されたターゲティングでは「ターゲットの拡張」のような拡張度合いの調整ができない点も特徴です。

上記を比較すると、「ターゲットの拡張」は広告主が設定したオーディエンスに基づいて類似ユーザーに配信を拡張していくのに対して、「最適化されたターゲティング」はコンバージョンに至ったユーザーの情報に基づいて配信を拡張していくという違いがあります。

「最適化されたターゲティング」と「ターゲットの拡張」の違いを以下にまとめました。

要点 ターゲットの拡張 最適化されたターゲティング
機能 選択したオーディエンスセグメントに加えて、別の類似したオーディエンスを追加 コンバージョンに至ったユーザーが最近検索した語句などのリアルタイムデータを基に、可能性が高いユーザーにターゲットを拡張
セグメント カスタムセグメントや購買意向の強いセグメントなど設定可能 ターゲティングシグナルを活用することで設定可能
拡張度合いの調整 調整可 不可
ブランド保護 考慮せずに配信 考慮して配信
管理画面上での設定場所 広告グループ⇒「設定」⇒「ターゲットの拡張」 広告グループ⇒「設定」⇒「最適化されたターゲティング」

※参考;最適化されたターゲティングを使用する Google広告ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/10538014?hl=ja

3.最適化されたターゲティングの設定方法

最適化されたターゲティングの管理画面での設定方法はいたって簡単です。

1.Google広告管理画面にて対象のキャンペーンをクリックします。

2.キャンペーンを選択後、さらに対象の広告グループをクリックします。

3.「設定」をクリックします。

4.「最適化されたターゲティングを使用する」にチェックを付けて保存します。

以上で設定は終了です。

なお、新規でディスプレイやファインド広告のキャンペーンを作成した場合は、自動的に「オン」の設定になっています。

最適化されたターゲティングはすべてのキャンペーンで自動的に有効化されます。最適化されたターゲティングでは、ランディング ページやクリエイティブ アセットのキーワードなどの情報を確認し、キャンペーン目標を達成できそうなオーディエンスを見つけます。

参照:最適化されたターゲティングを使用する Google広告ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/10538014?hl=ja

オン、オフの調整をしたい場合は上記設定画面で設定することをおすすめします。

4.最適化されたターゲティングの確認方法

現時点で、最適化されたターゲティングでの掲載結果は、以下です。

キャンペーン > 広告グループ > オーディエンス > 掲載結果データ最下部の合計:最適化されたターゲティング

こちらで確認できます。

5.最適化されたターゲティングの注意点

ここまでターゲットの拡張からアップグレードされた最適化されたターゲティングについて紹介してきましたが、注意点もあります。

意図しないターゲットに配信される可能性がある
ターゲットの拡張機能と同様に、あくまでもターゲティング拡張機能になるため、設定したオーディエンス以外に広告配信することを望まない場合や、代理で広告運用されている場合は広告主の承諾を得るなどよく考えたうえでの導入が必要です。

必ずしも成果向上が見込めるわけではない
Googleの公式では、最適化されたターゲティングを使用したことで広告のコンバージョンが平均20%増加したと成果向上が見込める機能として記載されています。

しかしこちらはあくまで一例であるため、成果状況をみながらオン・オフの調整は必要になってくるかと思います。

6.まとめ

今回は最適化されたターゲティングについてご紹介しました。

自動で目標に合わせたターゲティングを行ってくれるため、機能としては優れており、実際に成果があがっているアカウントも多数あります。

ただし、最適化されたターゲティングを設定したからといって必ず成果が上がるわけではなく、逆に本来ターゲットにしたいユーザーに広告が配信されない可能性もあります。

リスクの許容値を踏まえて、掲載結果を確認しつつ進捗を追っていくことをおすすめします。