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【Google広告】P-MAXキャンペーンの機能と設定方法について解説

2022.01.28

2021年11月、Google広告にて新たなキャンペーンタイプであるP-MAX(Performance Max)キャンペーンがリリースされました。こちらは1つのキャンペーンでGoogle広告のあらゆるチャネル(検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Google mapなど)の広告枠に広告を配信できることが最大の特徴です。

今までは検索、ディスプレイと分けて考えられたのが一般的でしたが、今回、Googleは1つのキャンペーンでそれらの全てが集約されたキャンペーンをリリースしました。

そこで今回は、P-MAXキャンペーンの特徴と設定方法までを解説していきます。

1.「P-MAXキャンペーン」とは

P-MAXキャンペーンとは、Google広告のヘルプページには以下のように記載されています。

これまでのリスティング広告の一般的な考えでは、検索、ディスプレイとキャンペーンを分けて配信することが一般的な配信手法であったのに対し、P-MAXキャンペーンでは、それが1つのキャンペーンで配信可能というものになります。

イメージとしては、検索はDSA(動的検索広告)、ディスプレイはSDC(スマートディスプレイキャンペーン)が1つのキャンペーンに統合されて配信されるといったものです。

Google参考記事:Googleの多彩な広告枠をフル活用できる P-MAX で目標を達成する
https://support.google.com/google-ads/answer/11189316?hl=ja

2.「P-MAXキャンペーン」のメリット・デメリット

上記で述べたように、1つのキャンペーンでGoogleのあらゆる配信面に広告を配信することのできるP-MAXキャンペーンですが、その他にメリットとデメリットはあるのでしょうか。

P-MAXキャンペーンのメリット

・1キャンペーンでGoogle自社サービス内の配信可能な全ての枠に広告配信
・複数のチャネルを総合的に機械学習して配信
・データが蓄積しやすいため最適化が進みやすい
・全てが集約されているので管理が簡易

機械学習で重要なのは「データのバリエーション」と「データ量」です。

Googleはレスポンシブ検索広告やレスポンシブディスプレイ広告など「アセットを複数入れて、それの組み合わせで広告クリエイティブのパターンを増やす」ことを推奨しております。しかし、データ量を蓄積させるという観点では、キャンペーン、その下の広告グループが分かれていればいるほど、1キャンペーンあたりのデータ量が分散されている状態となっておりました。

しかし、今回のP-MAXキャンペーンでは、1つのキャンペーンで共通のアセットを利用して複数の配信面への配信を実現したため、データを1つの場所に貯めることができるようになりました。

そのため最適化も進みやすく、結果として効果が上がりやすい構成となっております。

ただし、一方でデメリットと感じる部分もあります。

P-MAXキャンペーンのデメリット

・コントロールできる範囲が少ない
・確認できるレポートが少ない

今までは機械学習による配信の自動化とは言いながらも、キャンペーンやグループを分けたり、ターゲティングを組み合わせたりするなど、ある程度、自分でコントロールをすることができました。しかし、P-MAXキャンペーンについては、大きくは予算とクリエイティブのみ決定し、入稿を行うくらいしかできないため、基本的には動きを見守るというスタンスになってしまいます。

また、上記の内容と重複しますが、検索キーワードのクエリやクリエイティブ別のデータなど、細かなレポートを確認することもできなければ、調整もできません。

3.「P-MAXキャンペーン」の設定方法

それでは、実際にP-MAXキャンペーンの設定方法について説明します。

①「新しいキャンペーンを選択」から「パフォーマンス最大化(P-MAX)」を選択
②キャンペーン予算と目標となる指標を入力します。目標コンバージョン単価を設定する場合は任意で設定することもできます。

③配信地域、言語、パラメータ設定など、目的に合わせて設定を進めます。

④広告テキストや説明文、ディスプレイ用のクリエイティブを追加していきます。

⑤最後に広告表示オプションを設置します。

4.「P-MAXキャンペーン」の活用方法

検索、ディスプレイなどの複数の要素を取り入れたP‐MAXキャンペーンですが、どのような設定方法が良いのでしょうか。

アセットは可能な限り多く
上記でも記載の通り、自動化のプロダクトにおいては「バリエーション」×「データ量」で機械学習の精度を最大化しておりますので、広告テキストや画像などのアセットはできるだけ多くバリエーションを豊富にして入稿しておくと良いと思われます。

「オーディエンスシグナル」は設定を推奨
フル自動運転のパフォーマンス最大化キャンペーンですが、ある程度最初にデータを覚えさせておくことが可能です。

それが「オーディエンスのシグナル」と呼ばれる機能ですが、過去効果のあったカスタムセグメントや興味関心などのデータを設定しておくといいでしょう。

5.まとめ

Googleは今後数か月以内に、小売業者や店舗のある企業向けのP-MAXキャンペーンの新機能をリリースするとアナウンスをしています。

またその後には、スマートショッピングキャンペーンとローカルキャンペーンもP‐MAXにアップグレードする予定で開発が進められているようです。

これら自動化や機械学習に基づくリリースやアップデートは今後も続いていくと思われます。
今後、マーケティング担当者や広告代理店に求められる役割の一つとして、媒体の機能を理解し、積極的に取り入れながら、ユーザーにどんな広告メッセージを提供するべきかを追及していくことが求められていくでしょう。